弘法も筆の誤り
【弘法も筆の誤り】
●達者な者でもミスをしてしまう事がある(←超雑な解説)
今日は愛機TREK CHECKPOINT のメンテナンスなどをしております。
今回のお題は「チェーンリング交換」。まあ、慣れたものです。
パーツの状態を確かめながら手早く作業を進めておりましたところ、リングボルトの穴への工具の掛かりがちょっと浅いな…と。なんとなくボルトを締める感触もあやふやです。
直観的にこれはヤバいかなと思いましたが、新品のボルトを用意したことだし多分大丈夫であろうと判断して作業を続行。
ナメマシタ。
・安物のパーツを使って組付けを行った
・工具とパーツの相性を慎重に汲み取らなかった
・大丈夫だと過信して作業を続行した
…以上、いろいろとダメ出しがありまして、弘法でもない私には当然の報いでした。
それ以前に、こんな高トルクがかかる固定ボルトにアルミ、しかもどこの物かもわからないような安物を使った時点ですでに結果は見えていたようなものです。
耐久性や整備性などを総合的に考えると、ここは無難にスチールを使うのがよろしいかと思います。もしくは、出所のしっかりしたパーツを選ぶようにしてください。
▲WOLFTOOTH なら大丈夫!
そして工具もきちんとした物で作業して、オーバートルクには気をつけてくださいね。一般的に売られている六角レンチセットは、自転車のボルト類を締めるのには若干(全長が)長いと思いますので、持ち手の半分から2/3ほどの長さを持って締め、最後にトルクレンチなどで本締めすると間違いないと思います。
さて、作業をやり直しましょうかね(ため息)。
おまけ
弘法さまが誤った(書き間違えた)字は「応」。京都の大内裏にある応天門という門に「応天門」という字を書いた額を掲げる際、応の字の点を書き忘れてしまったんですって。
で、間違いに気づいたのはその額が門の上に打ち付けられてしまった後なんだそうです(現場作業者、気づいてあげなよ)。
しかし弘法さまがタダ者じゃなかったのはこれからで、このミスを「門の上の額をめがけて地上から筆を投げ、見事に点を書き足した」というスーパーリカバリーをやってのけて、周りは拍手喝采だった…というお話。
今昔物語に、このお話が収められています。
いつ何時襲ってくるかわからないイレギュラな出来事も、弘法さまのようにスーパーリカバリをサラリとやってのけられるようなメカニックになりたいものです。
…となむ語り伝えたるとや。